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【訪問看護】失敗から学ぶ–エゼルケア–
在宅でのエンゼルケアでの私の失敗例について、書きます。昨年の年末に起きた事例であり、正直かなり、気分がガタ落ちした内容でした。
失敗事例をあまり記事に書くと、自分の能力の低さをさらけ出してしもうので、あまり記事として書きたくはないのですが、同じようなケースに出会う方がいてるかもしれません。(あまりないケースかもしれませんが。。)また同じ失敗をしない様に対処できればと思い記事を書きました。
【訪問看護】失敗から学ぶ–エンゼルケア– 事例
まずは簡単に事例とその失敗の概要を説明します。(個人情報は記載していません。失敗事例の内容は割愛して記載しています。)
・事例
ターミナルのご利用者で自宅でお亡くなりになる。
医師からの死亡確認後に、事業所へ連絡あり対応。
ご家族にエンゼルケアについて、電話口で説明する。
希望はなかったが、翌日にクレームあり。
簡単に要約すると、死亡後、駆けつけずに、電話口での確認で、終えたことで、クレームにつながったと言う事例です。
まずは簡単にエンゼルケアについて説明していきます。
【訪問看護】失敗から学ぶ–エンゼルケアについて–
看護師なら誰でも知っている「エンゼルケア」。
わかりやすく言えば、死後の処置です。ご逝去された後に、身体を綺麗に整える事を言います。
例えるならば、点滴の針を抜いたり、排便などの内容物が出ない様に、詰め物をしたり、また顔に化粧をしたりと様々であり、方法などは、それぞれの医療機関により違う部分はあります。
そのエンゼルケアにもコストが発生します。
調べてみると、大体のコストの相場は5000円〜10000円程度です。
亡くなられた時に、保険適応外となるため、医療保険の使用できないため、実費になります。
病院でなくなれば、必ずとして、エンゼルケアを行なっていましたし、処置後は、死後の処置としてコストもとっていました。
在宅も同じように、コストが発生します。事業所により相場はまちまちです。
在宅では、エンゼルケアについては、生前、亡くなられた後に説明する場面があります。
説明のタイミングも、ご家族の受け止め具合や、性格などにも注意は必要です。
では次に失敗の要因と対策を考えてみましょう。
【訪問看護】失敗から学ぶ–エンゼルケア–失敗の要因
要因① 電話での説明だったこと。
亡くなられた後と言うことで、ご家族の心境を考えると、電話での説明は不適切だったのではないかと考えられます。
理由としては
- 電話ではうまく伝わらない部分やニュアンスがある。
- 亡くなられた後で混乱してた。
亡くなった直後であり、家族も混乱していたことも考えられることと、こちらの伝えたいことが、電話ではなかなか伝わらないことがあったと考えられます。
ここで、コニュニケーションで情報の伝わり方について、メラビアンの法則と言うものがあります。
それについて、少し説明し、今回の電話での内容を振りかえってみましょう。
メラビアンの法則から考えると、情報を認識する割合としては「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」と言われています。電話での言葉と聴覚でも視覚情報に優りません。そこで、実際出向くことで、視覚情報が追加され。よりわかりやすく、伺うことで、来てくれたと言う評価と、説明の理解を得れたのではないかと考えます。
そして、人生の最終を迎えたご利用者の家族へのケアとして「グリーフケア」と言うものがあります。
ご利用者との死別により、精神的ケアを行うのも、看護師として役割です。
それをやはり電話での対応では難しく、伝わらない部分もあり、現場に駆けつけて、対応する事が必要でした。
要因②事前にエンゼルケアについて説明していなかった。
前述にも記載した内容ですが、在宅ではエンゼルケアについてのタイミングは、事業所により違う場合があります。
今回はターミナルであり、家族の精神面を考慮して、説明のタイミングを逃していました。
そのタイミングを逃していたことで、亡くなられた後の、「流れ」と言うものを知らなかった可能性があります。
その「流れ」を知らないことで、説明してもそれを理解することができなかったと考えれます。
ターミナルご利用者で、死期が近ければ、事前にエンゼルケアの説明をしていれば、スムーズに対応できたのではないでしょうか。
以下に在宅での死亡後の流れとし、必要な部分を記述しておきます。
在宅でお亡くなりになられた後の流れ。(黒文字は必要な部分)
①医師による死亡の確認
※①の前に訪問依頼があり、訪問後に看護師から医師に連絡する場合もあり。また医師に連絡入り次第、医師から訪問看護へ連絡が来て訪問する場合もありケースバイケースである。
②医師による死亡診断書の作成
※②の後に、希望時に看護師がエンゼルケアを行う。(実費費用発生)
③葬儀屋に連絡、その後は葬儀屋とその後の行程を打ち合わせ。
葬儀屋でも、湯灌(ゆかん)、死化粧・エンゼルケア、エンバーミングなども可能ですが、ご遺体を扱うプロの技術で綺麗にしてくれますが、費用はかかります。もちろんご家族で身体を拭いたり、死化粧を行うことも可能ですが、一般的には葬儀屋に頼むことが多いでしょう。
要因③関わる家族の個性を捉えていなかった。
家族の個性や性格を捉えることが、訪問看護では、業務の効率や、コミュニケーションなど、様々なことに関わっていきます。
例えば、人によっては、感情的になりやすい人、こだわりが強い人、など挙げればキリがないのですが、関わるご利用者、家族の個性は様々です。
その人にあったコミュニケーション方法と言うのは、試行錯誤しながらとなりますが、その人がもつ社会性などの個別背景に目を向けて、事前情報や、関わっていく上で、表情や、仕草、行動を観察することで、その人にあった方法を探してきましょう。
例えば、ある程度感情の起伏がある人には、これ以上言ったらダメだなとか、この人にここまで言っても大丈夫だろう。などナントなくの感覚でわかる部分はあると思います。
ここで注意ですが、基本姿勢は変えてはいけません。誠実、礼節、丁寧な行動を常に心がけましょう。
今回の事例では、私自身一度しか訪問していなかったご利用者であり、その個性を捉えることができていませんでした。
そうならない様にも、家族の個性と言うのも、スタッフ間で情報共有しておく事が、訪問先でのトラブル回避に繋がると考えられます。
個人的なコミュニケーションの能力を向上のためにも、教養本やユーチューブなどで学習し実践してくのも良いでしょう。
私も苦手な部分なので、勉強してきます!!
【訪問看護】失敗から学ぶ–エンゼルケア–対策とまとめ
今回の失敗の要因に対する対策です。
対策
① 事前にエンゼルケアについて確認しておく(費用は方法なども)
②亡くなられた後の、流れを事前に説明しておく。
③亡くなられた後は、訪問し再度エンゼルケアを確認する。
※説明する際には、個別性を考え、対応する。
近親者が亡くなる経験をされることは、家族にとって喪失感の大きい体験です。
またその喪失体験は、デリケートな内容になります。
なかなか、説明となると行いづらい部分はあると思いますが、デリケートな部分だからコソ、急に説明ではなく、事前に説明することでトラブルの回避であったり、「流れ」を知ることで、心構えができるのではないかと考えます。
この様に失敗から学ぶことは、心苦し所はありますが、同じ失敗を2度行なわないため、今度につなげるためにも、良い振り返りとなりました。
今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。より良い看護を目指してみなさんと学んでいればと思っています。
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